第2章【制服遊び】

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雪兄を拒む理由は無い。 とはいえ、千堂くんを拒みたくもない…… あれこれ応えを探しているうちに、千堂くんの表情が不機嫌なものへと変わっていく。 「そう。 じゃぁ、もういいよ」 ……あれ? やっぱり、怒らせちゃった? 一瞬だけ彼は、雪兄と私のキスを眺めている時のような、あの冷たい目線をこちらへ向けた。 そしていつもの“いってくるね”の抱擁も無しに、高校へ向かって行ってしまった。 結局、その日の午後を迎えても 私の胸の奥には、何となく重たいモノが疼いていた。 今朝の千堂くんの顔が忘れられない。 「私って、なんて優柔不断なんだろう」 自分に落胆し、うなだれる。 千堂くんに辛い思いをさせている事は解っていた。 彼から毎日のように“好き”と言われても、聞き流すことしか出来なかったんだ。 それは勿論、私には雪兄がいるから。 そして、千堂くんをどう思っているのか、自分自身でも曖昧だったから。 そりゃあ、千堂くんが怒ったのも当たり前。 私って、つくづく最低な女だ。
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