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午後の太陽が、部屋に温かく差し込む頃になっても、千堂くんの事が気に掛かり、小説の執筆には集中できずにいた。
今朝の千堂くんの顔を思い出すと、何をする意欲も起きなくて、そうして私はいつものように窓の外を眺めた。
途端、私の体は凍りつく。
だって……
「どうして?」
私の目に映ったのは、嬉しそうな顔の千堂くんと
その高校の制服姿の少女が、2人で歩いている光景。
まだ授業中のはずの時間帯なのに、女の子と二人きりでサボってるなんて……。
楽しそうに会話しながら
、2人はこちらに近づいてくる。
隠れるように窓から離れた私は、思わず聞き耳を立ててしまった。
はぁ……。
これじゃ、まるでストーカーだよ。
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