第2章【制服遊び】

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  「礼儀正しい子だね」 それが、立花さんに対する第一印象だった。 一方、千堂くんの思う彼女は…… 「天然っぽいくせに、やってる事はけっこう大胆だよ」 ――だそうだ。 詳しく聞いてみると、立花さんは20歳年上の彼氏と付き合っているらしい。 結婚の話も進めているのだとか。 千堂くんいわく、結婚のために子供ができるのも時間の問題だそうで…… 人は見かけによらないとは、よく言ったものだと痛感してしまう。 やがて立花さんの姿は、見えなくなるほど遠くへ消えてしまった。 視界に残っているのは、服を着た犬を連れた通行人だけ。 そりゃ犬も服を着ているはずだ。 時折、凍てつく風がアパートの壁を吹き抜けていく。 馴れない短いスカートには、冬の冷たさが痛い程厳しくて、学生さんは本当に偉い。と改めて痛感した。 「千堂くん、寒いから早く部屋に戻ろうよ」 嘆いた私に、彼はまた冗談めいた事を言い出すんだ。
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