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「さぁ、これから一緒に学校へ行こうか」
「学校ね。1人で行ってらっしゃい」
もちろん冗談だと思った私は軽く受け流す。
なのに千堂くんは、私の顎を引いて見据えてきた。
「凄くイイ事してあげるから、付いてきなさい」
「何言ってるの?冗談も程々にしてよ」
あまりにも飛び抜けた千堂くんの台詞に、私はいつも、うっかり忘れてしまう。
彼には、冗談と本気の境界線が無いということを。
「言っておくけど、拒否権は無いよ?
椿は立花さんの代役なんだから」
「……え?」
状況が呑み込めないのも無理は無いはず。
なのに千堂くんは、“容赦”という言葉を知らない。
「椿が学校へ行かないと、立花さんの出席日数がマイナスされちゃうってわけ。
彼女は担任にも期待される優等生だから、椿の勝手で出席日数を減らすわけにはいかないでしょ」
「ちょ、ちょっと待って……」
「バレないから安心してよ。
どうせもう午後の授業しか無いし、サボるつもりだから」
バレないというよりも、問題はそんなことじゃないと私は思う。
……ってゆうか、、、
「結局サボるなら、代役なんて必要ないじゃん!」
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