第3章【生徒ごっこ】

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「須賀、聞いて驚きなさい。この人が椿だよ」 わざわざ胸を張って言い放った千堂くんに対して、須賀くんはやはり仰天した。 “開いた口が塞がらない” そんな、判り易い表現をしてくれる。 「からかっちゃってゴメンなさい。はじめまして、須賀くん」 「ど、どうも」 そんな一連の会話に聞き耳を立てていたらしいのは、同じく廊下で作業をしていた女子生徒たち。 彼女たちが教室へ入って行こうとした時、千堂くんは、その中の1人の腕を掴んだ。 「解ってると思うけど、先生がたにはくれぐれも内密にね?」 顔は笑っていても、決して目は笑っていなかった。 「はい。わかってますぅ」 ギャル風の女子たちが大人しく理解するところも、千堂くんの支配力の高さを物語っている。 そうこうして、廊下には、入れ違いで何人もの生徒たちが集まってきた。 「椿さんっ!本当に22歳なんですか!!?」 「千堂くんは椿さんの前でもこうなんですか?」 「コイツの隣に住んでて危なくないんですか!?」 あらゆる質問を浴びせられ、私は勿論、千堂くんも面倒になってきたらしい。
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