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「須賀、聞いて驚きなさい。この人が椿だよ」
わざわざ胸を張って言い放った千堂くんに対して、須賀くんはやはり仰天した。
“開いた口が塞がらない”
そんな、判り易い表現をしてくれる。
「からかっちゃってゴメンなさい。はじめまして、須賀くん」
「ど、どうも」
そんな一連の会話に聞き耳を立てていたらしいのは、同じく廊下で作業をしていた女子生徒たち。
彼女たちが教室へ入って行こうとした時、千堂くんは、その中の1人の腕を掴んだ。
「解ってると思うけど、先生がたにはくれぐれも内密にね?」
顔は笑っていても、決して目は笑っていなかった。
「はい。わかってますぅ」
ギャル風の女子たちが大人しく理解するところも、千堂くんの支配力の高さを物語っている。
そうこうして、廊下には、入れ違いで何人もの生徒たちが集まってきた。
「椿さんっ!本当に22歳なんですか!!?」
「千堂くんは椿さんの前でもこうなんですか?」
「コイツの隣に住んでて危なくないんですか!?」
あらゆる質問を浴びせられ、私は勿論、千堂くんも面倒になってきたらしい。
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