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いつも帰りが早いから、てっきり帰宅部かと思っていたけれど
そんな千堂くんが入っている部活だと思うと、自ずと興味が湧く。
どうせ、幽霊部員なんだろうけど。
「言っとくけど、僕はこれでもいろんな賞を取ってる実力を持ってるから
部員の中では一番優秀なんだよ?」
「賞?個人的に賞が貰える部活?」
そうなると、ますます判らなくなってきた。
サッカーやバスケではないんだろうし、卓球やテニスもなんだか違う。
なんというか、千堂くんが他人に振り回されるようなスポーツをしている姿が想像できないのだ。
だっていつも凛として、自分のペースで飄々としているんだもの。
そんなことを考えているうちに
突如立ち止まった千堂くんの背中へ、頭を突っ込んでしまった。
「ごめんっ」と謝りながら顔を上げると
そのドアの上には“美術室”と表示されたプレートが掲げられていた。
「美術?!……絵、描くの?」
「絵も描くし。彫刻だって彫るよ」
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