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千堂くんは高校生で。
私は、一応大人で。
なのに、歳下の千堂くんの誘いに、不覚にも怯えてしまう私。
他人の男の人の部屋に入るなんて雪兄に悪い気もするし、でも千堂くんの言う“理由”も気になるし、でもでも、ただ私をからかって遊んでるだけなのかもしれないし……
私は短い時間に思考をフル稼動させて、そして結局、彼の誘いに乗った。
何よりも、自分の好奇心が強かったから。
千堂くんを
知りたい――
最終的には、そんな強い想いばかりが私を支配していた。
「さぁ、どうぞ」
彼に導かれるまま、千堂くんの住む203号室の扉をくぐった。
他人の匂いと馴染みのない雰囲気に、私のノミの心臓は破裂しそうなほどの鼓動を打っている。
モノクロに統一された部屋は整然としていて、どこか寂しいような印象もあるのは、、、気のせいなのかな。
静かすぎる部屋。
そういえば両親さえも見掛けた事が無いけれど、千堂くんは一人暮らしなのだろうか。
無意識に部屋を観察してしまっていた私の横で、彼は不意に棚の上をゴソゴソと片付けた。
何か、見ちゃまずい物でもあったのかな?
そうだよね、年頃の男の子なんだもんね。
なんて、気を遣わせないようにわざと違う方向に体を向けたりして、私ってば何をしに来たのやら。
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