第1章【危ない隣人】

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意味の分からない千堂くんの視線が気になって、ろくにジュースも飲めない。 「そんなに物欲しそうに見てるなら、千堂くんも飲めばいいじゃん」 呆れぎみに言い放った私に対して、何が可笑しかったのか、千堂くんはクスクスと笑う。 「じゃあ、味見だけさせてもらおうかな」 すると、、、 何故か、千堂くんはこちらへ手を伸ばしてきた。 近づいてくるほどに、彼の指の長さが明確になる。 その指先の目的を把握できない私が停止している間に――― 千堂くんの指は、私の唇にフワリと触れた。 そして、まるで唇の水滴を拭き取るかのように、彼は指を滑らせてくる。 何っ―― どうゆうこと? くすぐったい…… 動揺しすぎて動けなくなっている私をよそに、千堂くんはしばらくその行為を楽しんだかと思うと、指を自分の口へ含んだ。 「……へっ?」 私の間の抜けた声だけが、部屋に小さく響いた。
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