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所変わってユキは暗い穴を真っ逆さまに
「ギャアアアアアア!!!!」
少しはアリスを見習えってくらいの慌てようで落下していきました。
ですがしばらく経つとユキの叫び声は「ハアハア、やっべ、あそこお可愛いのがイチャイチャしてるう!けしからん!いいぞお!」
ユキの周りには今まで読んできた本(bl)の俺様会長とチワワ系の可愛いのがチッスをしていたり、鬼の風紀委員長が会計に攻められていたり…それはそれは腐男子の楽園みたいなのが周りに溢れています。
ああ、俺一生落ち続けていたい、と受験生が聞いたらなんとも不吉な事を思いながら落ちて行きます。
そして最後には腹黒副会長が王道転校生にキスをしようとした所で
ゴッ!!!!
「いっでえええ!」
薄い落ち葉の上に到着したのですが、着地失敗。
その様子を先回りしていたトシが若干呆れながら見ています。
「いっててて。ってお前誰だ?」
つい人間の姿のままユキに見つかってしまったトシ。
「…わー大変だあ!遅刻だー」
見事な棒読みで走りさるトシを追いかけましたが、けっきょく追いつけず。
なぜかウサギの走り去る姿だけが見えました。
しばらくユキがウロウロしていれば、なんとも如何わしい薄い冊子が。
その表紙を見たときユキは飛びつきました。
「こ、これはあああ、新刊!お金が足りなくて渋々買うのを諦めていたのに!」
と、本を開くと
シュウウウウウウウ。
ユキの周りのものが急に大きくなり出しました。
「ああ、本まで巨大化してんじゃねえ!よ、読めないだろー!」
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