3195人が本棚に入れています
本棚に追加
/455ページ
思いっきり乱暴に唇を擦る有希を見て、不謹慎にも嬉しかった。
でも、次第に有希の目に涙が溜まり、
有希は切なそうに
「トシ、俺……」
一気に有希の目から涙が溢れ出した。
「もう、嫌だ。何で?ここに全校生徒何人いると思ってんだ。他にあいつ狙いの奴なんかいっぱいいるじゃねーか。何でお…」
気付いたら唇を奪っていた。
我慢の限界だった。
それが有希を傷つけるって分かっていたのに、自分じゃ歯止めが聞かなかった。
もうこのまま俺のものにしたい。
チュ、とリップ音をわざと立てて唇を離した。
次の瞬間にはドン!!と胸元を押され、拒否された。
「ざけんな!!!!消毒とか聞かねえからな?本気で嫌がってんのに追い打ちとか、地獄に堕ちろトシイイイイ!!!」
そして慌てて出て行った有希の背中を目で追いながら、
「いつか、俺のものにしてやる」
そう決意した。
トシside end
最初のコメントを投稿しよう!