879人が本棚に入れています
本棚に追加
/440ページ
普通に考えてあるはずがない。
更に地球ができて、そこに生命が生まれることまで考えると、途轍もない可能性だ。超能力者になる可能性の方が高いかもしれない。
1000000000000000000000000000……分の1。ゼロが幾つあっても足りない程だ。
この可能性で地球が生まれたのだったら、スロットで777出すこともボーリングで野球ボールを使ってストライクを取ることも余裕だね。
人が一人生きているのでさえ七十億分の一。人類は、凄い可能性を乗り越えて生きて来たのだ。
有り得ないなんて有り得ない。
極限、ペガサスがいたりドラゴンがいたり、実は及川光貴が超能力者だったり、実はクラスのあの子が天使(比喩的な表現ではない)だったり、角で食パン咥えた遅刻しそうな女の子と走ってぶつかってそいつが実は転校生だったぜ恋の予感だぜ的な展開も、可能性としては決してゼロではないのだ。
世界には色んな可能性が溢れている。ほらそこにもここにも。その可能性が限りなく低いだけで、確かに存在してるんだ。
なら、別に魔法を使える可能性があってもいいんじゃないか?
ファンタジーな世界があってもいいんじゃないか?
というか、この広大な宇宙の何処かにあるんじゃないか?
ないなんて誰が言い切れるんだ。
広大な、今なおその範囲を拡げる宇宙をお前は隅々まで調べたっていうのか?
未来から来たとでも言うつもりか?
もしかしたら、パラレルワールド、平行世界、つまりはたくさんの可能性の世界を探れば、そんな世界もあるんじゃないか?
いや、あるね。
頭の中で声が響く。
まるで、透き通るような泉に、ポチャリと雫を垂らしたような、細くどこまでも響く、透明感のある女の声。
「世界は輪廻。まわり続けます。あなたは歩みを止めてはいけません。例え何があっても……」
最初のコメントを投稿しよう!