問題が一つ増えましたと言う話

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魔法を使わなくてもどうにかできるとミオンが考えているのなら、どうにかできるのだろう。そうでなきゃ困ります。 しかし、前例がいないと言うのは些か不安だ。少しばかり後悔した。 魔法を使わなくても合格できる、と聞いて余裕をもってしまっていたみたいだ。 あくまでも魔法を使った者の感想であって、実際に合格できる確証はないというのに。 せめて内容をもっと早く聞いておくべきだったかもしれない。 うん、そうしておくべきだったね。 まぁ、こんなことを考えても後の祭りだ。 例えるならパンツ柄当てゲームで縞々を予想したら純白が来たようなものだ。 あれ? ちょっと、いや大分違うかな。まぁいいや。 今はこのテストをどう合格するかを考えるべきだろう。 「そのテストは具体的に何をするんだ?」 「単に力を見せるだけよ。だから、先生と戦ったり、攻撃を避けたり、逆に攻撃を当てたりするの。でも別に負けたら不合格とかはないわ。要は素質や能力を見るだけだから」 その能力がゼロなんだけどね。 そんな感じで暫くテストの話をしながら歩いていると、学校に着いた。結局テストを一網打尽にするナイスアイデアは思い付かなかった。 白い校門には、『私立第一魔法学園』とあった。なんてセンスの感じられない名前だろう。俺だったら『私立アスティカ学園』とかそれっぽい名前つけるのに。 この校舎、大きさとしてはかなりでかい。と言っても、元の世界でも稀に見る程度だから、特別大きいわけでもない。 校舎はクリーム色で、三つの校舎に分けられている。 元の世界と明らかに違うのは、体育館なのかは知らないけれど、大きなドームが設けられていることだ。多分魔法の練習場か何かだろう。 「こっちよ。取り敢えず先生の所に行くわよ」 そう言って、ミオンは右側の校舎に向かって歩き出した。 先生ねぇ。昨日見た限りでは、怠がり教師と予想する。
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