序章:隠れ厨二だったという話

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そうか、ここで勉強が出て来るのか。 面接だけでその人を完璧に判断することはできない。 判断材料が必要だ。 つまり、企業側は勉強というプロセスを通して、その個人の才能、真面目さ、有能さなどを判断しているのだ。 別に何をやるかは問題ではない。 勉強というある種の積み重ねから、人となりを見るだけなのだ。 ならば別に勉強で見せる必要はなくないか? 条件は子供達がみな等しくそのプロセスを行うことだ。 ならば別にゲームでも良いではないか。 そして出来ればアーケードの銃アクションのゲームがいい。 ……………俺、何考えてんだろ? 完全に迷走してる。怖いよね、考え始めたら止まらない。 自分でも何を言いたいのか分からないことを考えていると、少し疲れてきた。こんなことで体調不良なんてダサ過ぎる。 うつ伏せになり、目を閉じる。 俺の席は窓際の後ろから二番目なので、こうすると教師側から見て死角になり、堂々と寝ることができるのだ。睡眠万歳。 密かに俺はこの場所を【安眠席(スリープポイント)】と呼んでいる。 ウトウトと眠りの誘惑に引き寄せられる。この状態になったら、もう抗うことは出来ない。ああ、夢の世界は素晴らしい。 呪文のような授業をBGMに、俺は眠りについた。魔法が私を呼んでいる! 次に起きたのは授業が終わってから友達に起こされた時だった。数少ない友達がわざわざ起こしてくれた、ありがたい。 ありがたいから気持ちよく寝ていたのを起こしてくれた御礼としてビンタをしといてあげたよ。 若干寝不足なのかもしれない。 なんだか、落ち着かない気分だった。
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