331人が本棚に入れています
本棚に追加
/81ページ
「あのさ、君の仕事なんだけど――」
人材派遣会社、”シャドウファイナンス”に登録した俺は、早速社員と打ち合わせしていた。
具体的には、どんな仕事がやりたいのか?
時給、労働時間――
その他諸々を打ち合わせする為だ。
「出来るなら、高級・短期・楽勝の三拍子揃った仕事――」
そう言い掛けた俺を、鋭い視線で社員――”日陰照正(ひかげてるまさ)”が睨みつけた。
「人生舐めんな。糞ニートが……」
聞こえるか聞こえないか……
それぐらいの声量で呟いた日陰。
――聞こえてんだよ! クソ!
などと、口に出せる訳も無い。
進学・就職を失敗した俺は、事実上ただのニート。
そんな俺が偉そうに口応えするなんて――
恐れ多い事だ。
だが――
心の中でぐらい泣いてもいいだろう?
最初のコメントを投稿しよう!