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それから喫茶店までは、本当に一踏ん張りだった。けれどその間母さんの足取りが軽くなったのは、きっと気のせいじゃなかっただろう。全く、もしかしてさっきまで体力を温存してたんじゃないのか? ま、ちゃんと着いたから何よりだけど。
喫茶店でようやく手を洗い、絆創膏を貼れたお陰で俺もだいぶ気が楽になった。でも、今度は少し慎重に登ることにしよう。またコケたら流石にたまったもんじゃないからな。
山登り再開。どうやら母さんにとっては、落としたそのペースが丁度良かったらしく、登っていてもさほど俺との距離が開かなくなっていた。
そうして登っているうちに、ようやく山道の終着点が見えてきた。メルヘンチックな木の看板で「レインボーロード 終着点」と書かれている。今まで登ってきた山道……レインボーロードって名前だったのか。俺に取っては苦しいロードだったよ。ってか苦しいロードってシルクロードに似てるな(笑)
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