憑かれ、懐かれ、疲れ…

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ただ、爺ちゃんは憑かれないんだよな…。 …まさか、アレか?弱い奴に憑く的なこと? …まぁ何はともあれ、爺ちゃんのお陰で助かった。 あのまま放っておいたら、一週間くらいで俺は死んでただろうから。 (でもあのネコマタには悪かったかな…。) あのネコマタからは悪意を感じなかった。 ネコマタになったばかりだったのか、まだ自分の存在について分かってなかった感じだったな… 本当は助けてやれれば良かった。 …けど一度人間に憑いたものは引き剥がして浄化するしかない。 何故なら放っておくと人間のほうが生命力を吸い尽くされ死を迎えるから。 天井を眺め、そんなことを考えてた頃だった――― 「司ぁ~、ご飯出来たわよ~!」 聞こえてきたのは母さんの声。 それを待っていたかのように『グゥゥゥゥ~』と腹の虫が鳴いた。 (疲れても腹は減るな…。 よし!) ダルさは横になっていたことで、ほんの少しだけだが消えていた。 俺は体を起こし、ご飯を食べる為に部屋を出てリビングへと向かうのだった。
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