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出てきたのは、頭からネコ耳が生えている5歳くらいの小さい女の子。
服装は着物を着ている。
「にゃ?」と可愛らしい声を発する――
見る奴が見たら
『猫耳ッ娘萌え~♥』とか危ない発言するんだろうな…
だが残念ながら(?)俺にはそんな趣味はない。
(これは多分、ネコマタか…?)
さっき言った俺が普通じゃない点…俺には妖怪が視(み)える。
そして厄介なことに……
「にゃ~♥」
ネコマタとおぼしき存在は俺の足元に寄ってきた。
そのまま足に頬擦りをしている。
そう………俺は何故か妖怪が視え、懐かれてしまう。
懐かれるってより、“な憑(つ)かれる”…って感じ。
(うわぁ~………厄介なの拾ったなぁ…)
俺が怪訝そうに見たのが分かったのか分かってないのか、ネコマタは
「みゅっ?」
と小さく声を上げ、首を傾げた。
本当は自分でどうにかできたら良いんだが、俺にはどうしようもない…
あくまで俺は“視えて”“喋れる”だけ。
触れないし、お祓いできないし…対処法は何一つない………
(仕方ないか…)
ハァァ~……と、一際大きな溜め息を吐き、ネコマタを連れて帰ることにした。
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