憑かれ、懐かれ、疲れ…

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カツ、カツ―― 俺は石階段を上っていく。 カツ―― 上り終えた俺の視界に入ってきたのは立派な鳥居。 俺の家はここ―― 神社だ。 「司ぁ!なんじゃ、この気配はッ!?」 俺が鳥居を潜(くぐ)ったと同時くらいのタイミングで大声が飛んできた。 声の主は俺の爺ちゃん 霊峰 玄帥(たまみね げんすい)―― 72歳にして、ウチの神社の現役神主。 未だピンピンしていて何故か筋肉ムキムキ。 そのムキムキ具合はちょっと怖い…。 そのムキムキ爺ちゃんがズンズンと俺の方へ歩み寄ってくる。 「いや、あ~…ただいま。 なんか憑いて、付いてきた。」 足元には「みゅっ?」と声を上げ、顔を覗かせているネコマタ。 バツが悪そうにしている俺を見て爺ちゃんから溜め息が漏れる。 「ハァッ…仕方ないのぅ… さっさと本殿へ来なさい。」 そう言った爺ちゃんはクルリと向きを変え、俺に背中を向けて歩き出した。 俺もそれに付いていく。 勿論ネコマタも連れて。
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