憑かれ、懐かれ、疲れ…

5/11
前へ
/88ページ
次へ
爺ちゃんは俺を待たせて、一度いなくなった。 準備があるからだ。 本殿に入った俺は腰を下ろして、待つことにした。 ネコマタは俺の足の上に座り左右にリズミカルに首を振っている。 「待たせたのぉ。」 少ししてやってきた爺ちゃんは、お祓いをする為の正装をしてやってきた。 神主が着ているような服、と言えば少しは想像できるかな? 「さぁこっちへ。」 爺ちゃんは手招きし、俺を呼ぶ。 俺はその声に従いネコマタを誘導する。 何の疑いもなく俺の指示に従うネコマタ。 そしてネコマタがある範囲に入った時…。 ――ブォン 不思議な音と共に床には魔方陣が現れる。 「に゙ゃ!?」 突然の事に驚いた声を上げるネコマタ。 その魔方陣から逃れようとするが結界が邪魔をし、出られなくなっている。 それでも出ようと小さな体を懸命に動かし、動き回る。 が、爺ちゃんの方陣はそんなに甘いもんじゃない。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

95人が本棚に入れています
本棚に追加