集結

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表情を変えずに道化師が続ける 「テスターの皆様! 当社の招待に応じて頂き感謝します。 これより超体感型ゲーム"ラピューナ"の説明をさせていただきます。 今回プレイしていただくステージはダンジョン形式となっております。 各エリアをクリアしていき 最後のエリアにある扉を開ければゲームクリアとなります。 なお 最後の扉を開くには 合言葉が必要になります しかし、合言葉の入力を間違いますと スタート地点からやり直しになるのと 記憶を消させていただきます なので また1からゲームを楽しんでいただけます。 なお、ゲームの"途中棄権"は御座いません この部屋に入った瞬間から……… お前らに拒否権はないんだよ!!」 ガシャガシャガシャ 道化師の発言を皮切りに 掛けていた座席から手足首の自由を奪うための拘束具が現れ 瞬く間にテスターの人達から自由を奪っていく その光景をスクリーン越しに笑いながら眺めている道化師………… 余りに突然だったので 拘束具から逃れられた者はおらず 「くっそぉーー!」 「っざけんなよ!」 招待された人達が口々に文句を言う…… そんな騒がしいなか 「………黙れ」 道化師………いや、鬼が静かに発した 怒りを含んだ声が鼓膜を振動した 先程とは打って変わり 静まり返った部屋……… 口々に文句を言っていた人達は 黙るだけでなく 身を震わせている それは 本能で理解したからだろう……鬼(元道化師)の異常さを……… 誰もスクリーンから視線を離した訳じゃない ましてや映っている鬼が録画じゃないのは先程までの様子で理解できる ………なのに鬼のメイクに変わっている 違和感を一切感じさせないメイクは……… まるで メイク自体が本来の顔であり 表情が変化することとメイクが変化することが同義であるかのようだ………
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