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という経緯を経て現在に至る
それとなく周囲を観察してみた
激怒する人
恐怖に震撼する人
諦めを感じさせる人
状況を楽しもうとする人
不思議なものだ
同じ窮地に追いやられても
これ程までに
異なる反応を示すのか……
暫く周囲を観察していると
「お前、なにしよったんや！」
怒号が鳴り響いた
「五月蝿いわよ！見て分からない？
あぁ～あ 残念な人ね」
二人の男女が喧嘩を始めた
何をされたのか………
確かに見れば分かる
女の手には"消臭"と書かれたスプレー缶が握られており
男に掛けたのだろう……
(確かにアルコールとタバコの入り交じった とんでもない匂いはしていたが………
そこまでしなくても………)
俺は呆れて物が言えなかった
「じゃかしぃわい！
はよ言えや！」
どんどん熱くなる男(見た目40代)
「だ～か～ら
見て分かんないなら説明しても分かんないでしょ？
はいはい私は気になんなくなったし ほっといてよ」
男に背を向けて歩き出した
………………
周囲の皆が思っただろ
"それは言い過ぎたし何か間違っている！"って
ｶﾞｼｯ
男は女の腕を掴んだ
「ちょっ、放せよクソ野郎！」
あわてふためく女
「………………」
何も言わない男
「っざけんなよ！
臭いし手がベタベタするし………マジ有り得ない!!」
女は男に蹴りを放った
ｶﾞｼｯ
だが、男に届く前に脚を掴まれてしまった
「放せよ！」
未だ抵抗する女
ﾄﾞｽｯ
男の膝が女の腹に入った
「ぐっ…………」
苦悶に顔を歪める女
「なぁ……そんなに臭いんだよなぁ
そんなにベタベタしてんだよなぁ
そんなに人を馬鹿にしたいんだよなぁ」
男の声音はどんどん怒りを募らせているかのように
トゲトゲとしたモノになっていく
「ちょっ………何する気？」
戸惑いを隠せない女
さっきの膝が効いているのか
先程みたいに抵抗する素振りを見せない……いや、見せられないのか
「だったらその全てをお前にぶつけてやる!!」
女を床に押し倒した瞬間
皆が理解した
"あの男………犯す気だ"
って………
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