1.入れ替わって入れ替わったこと

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 翔真はけたたましい目覚まし時計の音で目を覚ました。  その時点で彼はすでに違和感を感じていた。  ベッドの寝心地からベルの音、そして天井。  何もかもがいつもと違っているような気がした。  「……ん?」  ふと起き上がってみると、翔真はそれが気のせいではないことに気付いた。  「……あれ?」  ぐるりと周りを見渡すと、自分の部屋がまるで別世界のように変貌を遂げていた。  壁紙は薄いピンク色で、あちこちにお菓子の空き箱が散乱し、机の上にはど派手なファッション雑誌がいくつも広げてあった。  「え?……え、え?」  翔真はベッドから立ち上がり、現状を再確認する。  だが何度見ても同じ、ここは自分の部屋ではない。しかもどう考えても女の部屋だ。  「……ど、どうなってんのこれ?」  さて、ここでも翔真は違和感に気付いた。声だ。  妙に音程が高い。これじゃあまるで……。  「……女?」  まさか、と彼は心の中で否定した。  きっと緊張のあまり裏返ったんだ。きっとそうだ、と彼はベッドから起き上がり、見知らぬ部屋の中をゆっくりと歩く。  そして翔真は見た。  近くに設置してあった大鏡に移った自分を。  彼は――――女になっていた。  髪型は肩まであるセミロングで、顔にはそばかす、目の下にはクマ。  スタイルは、そんなによくはない。足も手も木の棒のようだし、バストとウエストとヒップの差が全然ない。  しかし、その姿はどこからどう見ても、女だった。    「な、なんじゃこりゃあああああああああ!!」
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