1.入れ替わって入れ替わったこと

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 そしてまったく同時刻。  琴音は目覚ましが鳴ってもいないのに目を覚ました。  外はもう明るい。カーテンの隙間から淡い光が差し込んでくる。  今日は日曜日。学校がないのだから別にいつも通りの時間に起きる必要もあるまい。  即二度寝を決めた琴音は毛布を頭までかぶり、夢の世界へ旅立とうとした。  しかしその時、  ピロピロピロピロ……と枕元から無機質な着信音が響いた。  「……あん?」  琴音はそこで不信感を抱いた。  はて、自分の着信音はこんなプリインストールされてるような感じの奴だったっけ、と。  たしかこの間クラスで人気の着メロを設定しておいたはずなのだが。  「ん……んっ」  毛布から手だけを伸ばして枕元の小うるさい音を立てている機械を取った。  「……は?」  毛布の中でそれを見て琴音はぽかんとした。  これは自分の携帯じゃない。  自分のはこの間個数限定のレアなカバーを付けた最新型のiPhoneだったはずなのに。今手元にあるのはなんだ?  地味な黒でストラップの一つもついていない、ガラケーじゃないか。  「……はあ!?」  琴音は起き上がって違和感に気付く。  はて、自分の声はここまで低かったかしら、と。  
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