awake――7/10

4/24
前へ
/100ページ
次へ
「もう、科原くんは何のために学校に来てるか分かってるの?」 言いながら、御旗さんは先ほどの授業で使っていたノートを差し出してくれた。 さすが御旗さん。僕にとって君は天使に違いない。 「そんなの、御旗さんのポニーテールを見るために決まってるだろ」 「……勉強のためでしょ?」 「いや、僕は御旗さんの吐く空気を吸うためだけに学校に来ているんだ!」 「それはちょっと……」 普通に引かれてしまった。 あの御旗さんに。 あう。もう明日から学校に行けない。 「じょ、談冗だって」 「漢字、逆になってるよ」 しかも最初にじょって言ってるし、と御旗さん。 はっ。動揺して僕らしくないケアレスミスをしてしまった。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

62人が本棚に入れています
本棚に追加