第1章 中野 由利

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『次は~終点、碧河駅~』 扉が開き、私は電車からおりる。 ふと、携帯を見ると着信ランプが点滅していた。 “新着メール2通” 私はメールを開く。 1通目は海斗からだった。 私の大切な彼氏。 違う高校だからなかなか会えない。 今日は久しぶりに私も部活がなかったため、会う約束をしていた。 “由利、今日は用事が入って会えなくなった… ごめんな 由利のこと誰よりも好きだから。 また、今度。” 「…はぁ。ドタキャンじゃん」 最近、海斗は前にもまして忙しいらしい。 せっかく、海斗と待ち合わせの碧河駅まで来たのに。 仕方がない。 私は反対の電車に乗るために歩き出した。 もう一通のメールを見ないまま。
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