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「なるほど。じゃあ検査終了、お疲れさま!」
はい?
何も教えてくれないの?
これだけ色々したのに?
「あ、あの僕の能力は?ちゃんと教えてく」
ここまで言ったところで急に目の前が真っ白になった…。
どれくらい経ったか分からないけど、僕はやっと意識を取り戻した。
目を開けるとそこには顔。
色が白くて、髪は黒で肩くらいまで。目がきらきらしてて…。
要するに、女の子の顔。
「君、大丈夫?」
僕は思わず飛び退いた。たぶん、顔を真っ赤にして。
だっていきなり自分の顔数センチに女の子だよ?
そりゃ飛び退くでしょ。
「そんなに驚かなくても…」
「あ、ごめん。」
「じゃ、気を取り直して自己紹介といきますか!」
なんか明るい子だな…。
周りを見渡すと、他にも人がいた。
よく見るとみんな僕と同じ年か下かくらいだった。
そう思ったところで顔を強制的に動かされた。
「ちゃんとこっち向いてよ!」
ムスッとした顔が僕の前数センチに現れた。
近い近い近い!
「あたしは花澤桃香、BEAUTIFUL PINKですっ!」
ああ、花澤さんね…。
ん?ビューティフルピンクて何?
この子アイドル?
そう思っていると今度は花澤さんの後ろから、長い金髪で青い目をした小さな女の子が出てきた。
「キーも自己紹介する!」
一人称自分の名前なんだな…。
その子は小さい体をふんぞり返らせると、言った。
「イエル・オーサンド、BRIGHT YELLOWだ!」
ヤバい、分からないことが多すぎる!
ブライトイエローてなんだよ!
ていうか名前にキーって入ってないし!
「ちょいちょい、何うちの美少女2人を独占しちゃってんの~?」
今度は髪を緑に染めた、切れ長の目のチャラ男が出てきた。
「俺っちは水樹碧将!あ、名前へきしょうだかんね?んでもってMOIST GREENでぇ~す!」
コイツもなんかモイストグリーンてついてるのかよ…。
もう…何コレ?
「ほらほら、赤っちも自己紹介しなよ~?」
そう言って水樹が連れてきたのは、この部屋にいた最後の一人。逆立った黒髪に鋭い目つき。
けんか強そー。
「李紅龍(リ コウリュウ)、IMPACT REDだ。」
予想通り、無愛想な自己紹介…。
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