5人が本棚に入れています
本棚に追加
ここは大江戸日本帝国。
かつてもかつての大昔に、猫が神として君臨した国。
食う寝る以外の欲望を持たない猫達は、地上の支配を人間に譲りはしましたが。
神として崇め奉られた身の魔力は、現在も健在です。
部屋に貼られた守り札。コタツのかけ布団の柄に、道行く主婦が財布にぶら下げる根付。
招き猫様の意匠が、帝国のあちこちに飾られています。
偉大なる力で彼方よりの災いを退け続けてきた、その力にあやかる為のまじないーー招き猫様に姿を変えて。
偉大なる猫様は至る所で、我々をにゃんにゃんと温かく見守って下さっているのです。何と嬉しいことでしょう。
けれども。無力となった通常の猫のふりをしての、本物の招き猫様が、わずかながら現在にも存在します。
最初のコメントを投稿しよう!