激戦の前の静寂

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俺は幼女の所に戻った。 ミシーは龍化を解除し、人の姿に戻っている。 「どうだ。ダークドラゴンなんて雑魚だよ、雑・魚!俺からしたら黒いトカゲだね。しかもあいつあんまり黒くないんだよな。黒ギャルの方が黒いぜ? きっと」 意味が解らない? それが俺さ。 ってか、なんで幼女は黙ってるんだ。まさか、俺の人外っぷりに恐れを... 「お前っ!人間なのに凄い!ねえどうやったの!? ねえ教えてっ!!」 「なんか喋り方まで幼くなったな。All metamorphose(完璧に幼女化)か?」 俺が幼女の変貌っぷりに驚いていると、上からドラゴンがまた降りてきて、姿を人に変えた。光に包まれ、そこに立っていたのは... 「うわイケメンかよ。しかも紳士っぽい。俺が苦手なタイプだわ」 「...第一声で非難されたのは初めてですね...まあ、いいです。彼女が興奮しているようなので私がお話をしようと思い参りました。彼女は年齢では私よりも上なのですが...ドラゴンの雌は寿命が雄の倍近いので精神年齢と上がりにくく、容姿もこの通りです」 「なるほど...だから幼女なのか」 「はい。彼女は普段は大人っぽく振る舞っていますが、興奮すると素が出てしまうんです」 「ようは背伸びしたガキって事か...で、あんたは何を話に来たんだ?」 俺の腰辺りをポカポカと殴りながら、「無視するなぁぁ」といっている幼女はシカトで。 「まず、お礼を申し上げます。貴方ダークドラゴンを退けてくれなければ私たちは全滅していたでしょうから......それと、長様のことです。長様が貴方共に居たいと言うのであれば、私達は構いません。ただ、何年かに一度顔を出してもらえればそれで」 「ふぅん。だってさ」 俺は横にいるミシーに言う。 「それくらいなら別に構わん」 「じゃあ、話は終わりか?」 「そうですね...では、ようっ...ウーネリア様、行きましょう」 この幼女ウーネリアって言うのか。ってかこいつ今幼女って言いかけたよな。種族公認で幼女なんだなこの子。 「嫌だー!私この人といたいー!!」 あれ、何か懐かれてる。おかしいな。幼女幼女と馬鹿にしまくってた筈なのに。 「ふむ...ではウーネリア様。貴女も長様と共に行ってください。正直貴女のお守りは疲れ...ではなく、貴方も人間の世界を見たほうが、色々と経験になるでしょうから」 「やたぁー!」
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