序章 終わりと始まり

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「おぎゃー、うぎゃー」 1988年の冬。 雪が降りしきる中、とある産婦人科で1人の男の子が産声をあげた。 「3000g。泣き声も健康的です」 「ダメだ。黒い糸が見える」 「止むを得ませんね。では処分しておきます」 女はそう言うと、男から男の子を受け取り部屋から出て行った。 「おぎゃー、うぎゃー、おぎゃ、、、」 ≪ドサリ。 男の子の声が止んだ。 「糸に恵まれなかったのね」 そう呟くと、女は部屋へ戻って行った。
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