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「いや…、駄目。」
駄目?何が駄目なの?
そう疑問に思っていると、母さんは「やっつける」と言い出し、ジリジリと前進し始めた。
手には何時の間にか30cm大の伐採用の両手で使うタイプの重たいハサミを持っていた。
そんなもの家には無かった気がしたが、特に疑問に思わない。
しかし、リーチが短い気がするのは俺だけだろうか。
徐々に前進する母さん。
「母さん、止めて!本当、刺されるから!」
と俺は大きめの声で言ったが、使命を果たすかの如く逃げようとしない。
何故か何時になく真剣だ。
しょうがないから俺も何かで加勢しようと、そこら辺にあった物を手に取った。
俺は母さんから右の方に摺り足で移動し、蠍の行く手を阻む。
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