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「……治癒魔法は禁じられている…………。手を出してみろ」
「あ、は、はい」
少年が大人しく手を出すと、青年はその手を出来る限り優しく取る。そして、少年の掌と水平になるようにしてもう片方の手をかざした。
「……薬」
ぼそりと呟くと、かざされた掌に光の粒子が集まって何かを形作っていく。小さな瓶の形になると徐々に茶色い色が付き、あっという間に少年の掌には小瓶が転がった。
「塗り薬だ。傷口を洗ったら悪くならないうちに塗っておけ」
「あ……ありがとうございます……」
「お~いクレ~イ、見つかったー?……みたいだね」
ぽかんとする少年をよそに、茂みからひょっこりと、少年と同じ眩い金髪が覗いた。
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