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私がそんなことを思っていると、その人は何故か私の頭を軽くなでてくれた。
その時、その人はとても優しげな目線で私を見つめていた。
それがとても照れくさいような……でも、すごくうれしかった。
「どうすればいいかだなんて、最初から決まっているでしょう?主神に会って、何事もなかったかのように儀式を受けるのです。
儀式を受ければ、自分の名前も何もかもが分かるのですから」
「ギシキ…って何?」
「ふぅむ……。洗礼のようなものかな?
神々の一員として、もう一度生まれるためのね。詳しい内容は言えないけれど、そんなに難しいモノではないから」
「ふーん……。私は、そのギシキを受けるにはどうすればいいの?」
「とりあえず、何も言わずに私の後を付いてきてくれる?主神の元まで連れて行くから。
儀式が始まった後、主神が『…目覚めよ』と言ったら、顔を上げて周りを見てもいいよ」
その人はそういった後に、分かったかいと念を押してきた。
私がゆっくりと頷くと、その人はそっと手を私に差し出した。
「さぁ、いこう。私の事は、ソネットと呼んでくれ」
私がその人…ではなくソネットの手を取ると、ソネットは私の手を優しくつないでくれた。
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