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その後私とソネットは、さっきまで私達がいた殺風景な部屋を出ると、さっきまで聞こえなかった美しいハーモニーが耳に入ってきた。
ソネットにそのことを聞いたら、あのハーモニーの正体は主神に使えている天使達の合唱だったらしい。
声だけであんなに綺麗な音が出るだなんてすごいなぁ、って私が呟いたらソネットは、後で教えてもらったらどう?と言ってくれた。
(ソネットってほんとに優しいなぁ……)
私がそう思っていると、ソネットは何故かクスクス笑っていた。
(……何か面白いことでもあったのかなぁ?)
そう思いながら首を傾げていると、ソネットは突然抑えきれなくなったかのように笑い出した。
「君はもしかして気づいてないのかい?」
「?何を?」
「さっきからずっとひとりごとを言っているけど、どうしたの……?」
「!ひとりごとって!?」
私が言うと、ソネットは口元を少し上げてから言った。
「『ソネットは優しいなぁ』とか、『何か面白いことでもあったのかなぁ?』とか……かな?」
私の話し方の真似をしながら。
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