誕生

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(? どういうこと?) 首を傾けたままその人を見ていると、その人はまるでいたずらっ子のような笑みを見せた。 「ゴメン、ゴメン……。少し、イジワルして悪かった」 その言葉を聞くと、私はさらにわけがわからなくなってきた。 「意味がよくわからない……」 「そうだよね。ちなみに、君は『自分が何者か』っていう自覚はある?」 「ナニモノ?……どういうことか、わからない」 私がそう答えるとその人は、両腕を組んで何か考え込み始めた。 「そうですよね。本来ならばここで、目覚めてはいけないんですから……」 (ちょっと……一人で勝手に納得しないでよね!) 私はそう思いながら、ふてくされた。 その様子を見た為か、その人はまた微笑みを浮かべた。 今度は無理している様子は無い。 「すみません。まず簡単に説明しますと、君は新しく生まれた神なんです。 名前と何の神であるかはこの後、主神が教えてくださるんです。本来はそこで意識が覚醒するはずなのだけど、君の場合は、何故かその前に目覚めてしまったんです」 (……じゃあ、私はこの後どうすればいいのかなぁ?)
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