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列車は今日も街へと向かう。
「賢一兄さん、高校とは、どういうところですか?」
一両編成の列車内にて、私は隣に座る賢一兄さんに話しかける。
「そうだな……子どもと大人の境界線といったところかな」
賢一兄さんは大きな手を広げて、私の頭をポンと叩く。
「境界線ですか……?」
私は、頭に賢一兄さんの手が置かれた状態で首をかしげる。
「ああ、そうさ」
賢一兄さんは、そう言って視線を窓の外へ向けた。
私も同じように、外の景色を眺める。
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