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学校はもちろん、山を越えた先の街にしかあらず、列車に乗っていかなくてはならない。
そして、街へと向かう列車は一日に三本。
そのため、私と賢一兄さんは毎日同じ列車に乗って、それぞれの学校に行く。
「そういえば、明日果は今年受験だよな?」
明日果は私の名である。
「はい、そうです」
「どこを受けるか決まったのか?」
「賢一兄さんと同じ高校へ行くつもりです」
「そうか」
いつの間にか離れていた賢一兄さんの手が、再び私の頭に置かれた。
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