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その途端にアバーラインの表情が険しさを通り越し、険悪なものとなった。
喩えるなら、今にも噛みつきそうなブルドッグだなとキャリックは上司に対し失礼な感想を抱いた。ブルドッグは、否、アバーライン警部は噛みつかんばかりに吠えた。
「ジェイムズ教授、善良な市民なら警察に協力してもいい筈だ。まぁ教授、貴方が善良な市民かどうかについては大きな疑問符がつくところだがね。」
アバーラインは必要とあらば、もっと悪し様に罵る事も出来るが、上からの命令で、教授に捜査協力を頼まねばならず、その考えがアバーラインの言葉の理性を押し止めていた。しかし教授は、そんなアバーラインのささやかな努力を冷笑で応じたのである。
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