ジェイムズ教授の退屈な日常

2/14
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
この日、フレッド=アバーライン警部は不機嫌であった。上からのしかも、あの貴婦人からの依頼で知り合ったあの教授と呼ばれる男に、また会う羽目になるとは、我が身の不幸を呪わずにはいられなかった。 「あのぉ、警部。」 着任早々にアバーライン警部に同行するように仰せつかったマイケル=キャリックが恐る恐るアバーライン警部に声をかけた。 「なんだ。」 アバーライン警部は自らの不機嫌さをそのまま声に出した。キャリックはたじろぎながらも、これからの訪問先について訊ねた。 「その警部、教授とはどんな人物なんでしょうか。」 「いけすかない野郎だ。」 アバーライン警部は吐き捨てように言った。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!