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この日、フレッド=アバーライン警部は不機嫌であった。上からのしかも、あの貴婦人からの依頼で知り合ったあの教授と呼ばれる男に、また会う羽目になるとは、我が身の不幸を呪わずにはいられなかった。
「あのぉ、警部。」
着任早々にアバーライン警部に同行するように仰せつかったマイケル=キャリックが恐る恐るアバーライン警部に声をかけた。
「なんだ。」
アバーライン警部は自らの不機嫌さをそのまま声に出した。キャリックはたじろぎながらも、これからの訪問先について訊ねた。
「その警部、教授とはどんな人物なんでしょうか。」
「いけすかない野郎だ。」
アバーライン警部は吐き捨てように言った。
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