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「結果から言えば、教授は白ということにはなった。しかし教授の全ての嫌疑が晴れた訳ではなかった。まぁ、言うなれば限りなく黒に近い灰色といったところってやつだ。それにな、教授には敵が多かった。」
「妬みや嫉みですか。」
キャリックにはよく解らなかったが、教授が若くして学者の名声を得たとなれば、それなりに云われのない反感を買っていとしても不思議ではなく思われた。しかし、アバーライン警部はなんとも複雑な表情をして、キャリックの発言を微妙に否定した。
「まぁ、それもあっただろうが、根本は違うだろうな。」
「どういうことです。」
「奴ならやりかねない。誰もがそう思わす何かが奴にはあるんだ。」
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