ジェイムズ教授の退屈な日常

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大学を逐われた教授はロンドンに移り住むことになったのである。 「しかし、警部は何が契機となってそんな人物と知り合うことになったんですか。」 アバーライン警部の話を聞く限りでは、少なくとも教授には前科はないように思われた。キャリックの質問にアバーラインは明らかに不機嫌さを増して言った。 「貴様も警官の端くれなら知っているだろう、あの忌まわしいリッパー・ザ・ジャック事件を。」 それは今から三年前、ロンドンを震撼させた連続娼婦殺人事件の名称であった。 「それは勿論。しかし、あの事件と教授となんの関係があるので。」
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