異世界転生の時の話

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白い天井。白い床。 知らない場所に放り出されていて、俺は唖然とした。 ここはどこだ? 体を起こし、周りを見渡してみる。 机とパソコン。 座りごこちの悪そうな椅子には目付きの悪いサラリーマン。 書類をぺらりとめくり、それから俺に目を止める。 それを見てピン、と思いついた。 直後の記憶がなくて、白い場所で、(たいそう目付きが悪いが)イケメンが1人。 あれ、これってもしかしてあの異世界転成の小説の状況なんじゃね? こいつは神様で、俺のことミスって殺しちゃったんじゃね? ……そんなことを。 その瞬間に、俺の心の中は一瞬で歓喜に満ちた。 え?俺チートしちゃう?神の力とか奪っちゃう系? この俺が、小説の主人公になっちゃうの? 「君は選ばれた。元の世界とは違う世界で生を受け、その世界で日々を過ごすだけでいい」 イケメンが口を開く。それはいつかに読んだ小説のテンプレートと同じような内容だった。
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