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校長室の扉が目の前にある。
我が高等学校は伝統あるもので、去年創立180周年である。
何度か建て直しやらしているので、中や外見は現代っぽい。
そんな中で一番すごいと思うのが、この校長室なのである。
まず扉が西洋の王室に繋がる扉みたいだ。
一言で言ってしまえば、派手、というものである。
何でこんな作りにしたのかは不明である。
しかしその昔、この高校の校長はどこかの国の偉い人と知り合いだったそうだ。
それで今の扉がある、と噂されている。
まあこれぐらいにしといて、俺は扉をノックする。
「失礼します」と言いながら俺は中に入った。
「遅いっ!」
何かがスネを蹴った。地味に痛い。
「・・・ん?校長?」
見渡すが、そこには誰もいなかった。
確かに声がしたんだけどなぁー。疲れてんのか?
さっきも良くわからない声を聞いた。
そうだ。きっと疲れてるんだ。
早く家に帰って寝よ。
「悠さーん!下!下ぁ!」
また声がする。
それに応じて下を見てみた。
そこにはスーツを来た幼女がいた。
どうみても幼女である。
「あ、やっと気付いたぁ!悠さん?ですよね。女の子ですね!!」
もう元気いっぱいな幼女だった。
「世の中まだ解明されていない病気などがたくさんあります!だからこれは不思議とかではないんです!こ、これ重要っ!」
なんだろう。この癒し系キャラクターは。
俺を萌え殺そうとしているのか?
その個性を見ていたからか、俺は自然に手をその幼女の頭に乗せていた。
「むぅ?何で手を乗せて・・・あふぅ。そ、そんな撫でないでくださいよ。気持ちいいじゃないですかーえへへーあふぅ」
我が校の校長は学校建設者だ。
そのため長い年月で代が変わっていく。
たとえそれが頭の悪い者でも、幼女でも、犯罪者でも。
ついこないだまでは、ご老体だったが、先月亡くなったとか。
それでこの幼女である。
幼女の名は市神九尾(いちがみきゅうび)。
我が校の89代目校長である。
それから数分が経ち、俺と九尾は落ち着いて話していた。
副校長に目をつけられた挙げ句説教である。
幼女を甘く見るな、とのことだ。この子強いのかな。
「それで、俺はこれからどうすれば?」
まず一つ目の疑問である。
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