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そんなことで数分後、俺はテーブルで両親と向かい合っていた。
眉間に皺をよせた父母に少しイラつきながらも俺は淡々と話し続ける。
俺の隣にはしょげた裕子がいる。ついさっきビデオカメラを粉々にしたからだ。
いやそんな目で見るなよ。やめてくれ。まるで俺が悪いみたいじゃないか。
「まあ、確かに娘が欲しいと思っていたが・・・」
父さんが明後日の方向を向きながら言う。
「たとえ女になっても悠は悠よ」
母さん・・・俺、少し元気が出たよ。
「兄ちゃん・・・、ビデオカメラ・・・・・2000円・・・」
裕子が涙目だ。少し萌える。
まあ、そんなこったで俺達家族は元気です。
女になったことを話し終えたあと、俺にはまだわからないことがあった。
女になっても身体能力が下がっていないこと。普通なら下がってもおかしくない。
裕子を殴った際にすでに気になっていた。
しかも前より上がってる・・・?
「どーした?」
父さんが俺の胸を触りながら聞いてくる。
別に減るものはないので別に触られても気にしない。
ぶっちゃけ俺は男だ。身体は女だが。
「ぅおいっ」
横から父さんの手を叩く音。
もちろん母である。
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