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翌日、俺はいつもより少し早く目が覚めた。
何の因果か、ロトの抽選は1週間後に控えており、天から落ちてきた勾玉が本物か分かる日は近い。
俺は親に挨拶をしてから、共に朝飯を食べることにした。
勾玉は念のため、紐を通し首にかけてある。
今日は土曜日なのでゆっくりとする予定だ。
俺は朝食のパンを食べ終えると自分の部屋に戻った。
服の中から首にかけてある勾玉を取り出し、改めて見る。
俺はここで初めて、異変があることに気づいた。
これを拾った時、勾玉に削られていた数字は間違いなく0だった。
しかし今は1と言う文字に変化している。
――願いを1つしたという記録か……?
ますます願い事が叶うと言う信憑性が高くなっていく。
次は何をしよう。
――取らぬ狸の皮算用
今の自分は間違いなくそれだ。
まだ叶う可能性が100%になったわけでもないのに、もう次の願い事を考えている。
まぁ、人間みんなそんな物だろう。
少しでも可能性があるならそれに頼りたくなる。
それが人の心理と言うものだ。
間違えてはいない。
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