うっ……嘘!?

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俺は隠れるように学校に侵入する。 廊下を足早に移動すると、自らのクラスに飛び込む。 時間が早いため、2人しか生徒は来ていなかったが、当然の如く彼らの視線がこちらを向く。 2人とも男子だが、やはりセーラーを着ていた。 まだ俺はこの2人と話したことはない。 しかし、彼らは目を飛び出すほど驚くと、こちらにやって来た。 「何、おまえ? 女装癖とかあるの?」 1人が戸惑いながらもそう聞いてくる。 ――女装しているのは、おまえだろ そう怒鳴りたいが、不思議なことに男女の服装が一夜の内に真逆になっている。 俺の服装が異常な状態になっているのは間違いないだろう。 かと言って、俺はスカートなんか穿きたくない。 「いや……ちょっとな……」 俺は言葉を濁しながら彼らの隣を通り抜ける。 そしてそのまま席に着いた。 それからは本当に地獄だった。 何処で聞いたのか他クラスからやってくる人、人、人 普通に通学して来たクラスメイトも教室に入ってくるので、もう教室はごった返しだ。 その上、1人1人の目がただ俺だけに集まっているのだ。 本当何これ……?
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