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「君の制服は女子の物だ。まずこれに着替えなさい」
開口一番、そう言ってくる沙倉先輩
しかし、流石にそれは着たくない。
副生徒会長に逆らうのはどうかと思うがここは譲れなかった。
「あのー、すみません。このままじゃあ駄目ですかね」
俺がそう言うと、叶先輩と沙倉先輩が顔を見合わせる。
そして今までせき止めてたダムの水が決壊するが如く、大きく吹き出した。
「えっ……」
よく状況が掴めない俺
笑わせるような事言っただろうか?
もしかして、あれか?
女子の制服、もとい学生服を着たいと言うのがそこまで面白いのか?
首を傾げ考える俺だが、唐突に叶先輩が謝り始めた。
「ゴメンね、いいのよ。それで。私も少しこの制服には抵抗があるから」
うん? どう言う事だろうか?
叶先輩はこの世界で言う女子の服装がお気に召してないのだろうか?
それとも俺が性同一なんちゃらとか言う患者だと考え、同情している?
いや、でも俺の事をさっき笑ってたし、同情してるわけではないか……
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