虹色の勾玉

うっ……嘘！？

はぐらかす先輩

とりあえず当分は先輩も警戒しておいた方が良さそうだ。

俺は教室に戻るべく、立ち上がる。

最後に

「また放課後にでも来てちょうだい」

叶先輩がそう告げて来る。

これも断る理由は俺にはない。

「分かりました」とだけ告げ、生徒会室を後にした。

――放課後――

先生が朝に俺がこの制服を着ている説明をした時は予想以上に酷かった。

皆が皆、俺と会長の関係を問いただして来るのだ。

人気だと分かっていたが、まさかこれ以上とは……

今も生徒会室へ行こうとしてるのに、皆に囲まれ中々動けない。

俺はちょっとした知り合いと言っているのにまだそれ以上に問いただして来る。

行けずに困惑する俺

しかし天は俺を見捨てなかった。

「皆さん、部活行く人は部活に、何もない人は早く帰りなさい」

中々生徒会室に来ないのを不思議に思った沙倉先輩が迎えに来てくれたのだ。

同時に先輩の能力【隷属】が俺を除いた全ての人に発動した。

今まで俺に問い詰めていた人達が蜘蛛の巣を散らすように去っていく。