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この前、願いが解除された時、沙倉先輩の服装は変わったが、叶先輩の服装は変わることなかった。
この馬鹿げた願いなら誰かがすぐに解除するのは見えている。
もしそうなった時、パンツ一丁でいるのは御免。
俺はその場合の事を考えて、鞄の中に服をつめこんでから、外に出た。
まだ季節は4月。なので下着一丁は本当に寒い。
発願者自ら願いを解除する可能性が出てくるような感じだ。
俺は出来るだけ身体を隠しながら、学校へ向かう。
いつもなら教室にまず初めに行くのだが、今日ばかりは生徒会室に入った。
会長はすでにそこにいた。
入ってこないように他のメンバーに言っているのかセーラー服をすでに着ている。
「おはよう」
「あっ、おはようございます」
俺も鞄の中から学生服を取りだし、急いでそれを着る。
完璧に着替え終えると、会長が親切にも紅茶を入れてくれた。
俺は席に座り、それを受け取る。
会長は唐突に切り出した。
「それにしても、今回は男にとっては最高の願いね」
前回会った時と比べて、機嫌が悪そうだ。
笑ってはいるが、目が笑っていない。
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