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これは諸連絡を伝えると言った本来の放送の使われ方をしていない。
これは……あれだ。
沙倉先輩の能力【隷属】だ。
放送を使うことによって生徒全員に強制催眠をかけたのだ。
何ともやり過ぎの様にも感じる俺
しかし、沙倉先輩はこんな強行手段に出るような人には見えない。
それでもこう言った行動を取るということは、何か急を要する事が起きているのだろう。
俺は軽くストレッチをし、生徒会室の外で先輩が来るのを待つ。
程なくして、沙倉先輩が会長と走ってこちらにやって来た。
叶先輩は俺を発見するやいなや大声をあげる。
「校庭にタクシー待たせてあるから走って! 説明は後!」
有無を言わせない剣幕
俺は言われた通り、校門に向かって走る。
学校は今休み時間らしく、廊下に何人かの生徒が出ていたが、興味さえ持たれなかった。
沙倉先輩の能力が効いてるようだ。
ただ出来れば、この前の時もこの処置をして欲しかった。
俺はため息をはき、すぐに前を向き直す。
「あれか」
漸く見えてきた。
黒色の車が校門の前に止まってある。
あの車が会長の言ってた車で間違いないだろう。
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