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キーーーッ
急がせていた車がある廃ビルの手前で止まった。
「こんな所にいるのか……」
俺達はお金を払うとタクシーから飛び降りた。
ビルは7階建ての建物で、作られてから随分と経ってそうだ。
大地震が来たら潰れるに違いない。
俺がビルを見上げながらそう思っていると、近くから数人の男がやって来た。
「もう帰っていいぞ」
沙倉先輩が彼らにそう告げる。
どうやら、あれが見張りにつけてた人達のようだ。
タクシーの中では気付かなかったが、沙倉先輩は今携帯を握っている。
もう彼女達がいる階とかにも目星はついてるのだろう。
俺達は沙倉先輩、叶先輩、俺と言った順番で廃ビルへと侵入していく。
足音を立てず階段を昇っていく中、沙倉先輩が足を止める。
場所は4階
沙倉先輩が口に指を持って行き、静かにするように促すと、ドアの向こうから音が聞こえてきた。
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